ポートフォリオレビュー童貞魂だけは忘れちゃいけないと思うんすよ / by yota yoshida

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書こう書こうと思っているうちにもう一か月経ってしまいました。ご存じ通りの筆不精なので、どうかお許しください。そんなこんなでご縁があって最近仲良くしている竹ノ谷さんのおすすめということもあって、彼と一緒に平間至さんのポートフォリオレビューに参加してきました。いままで参加したポートフォリオレビューはニコンのJuna21の無料のだけでしたが(一回目二回目はそれぞれのリンク先記事を参照)今回の参加費は有料で五千円。もっとお高いレビューもありますが、有料ポートフォリオレビューのとっかかりとしては参加しやすいお値段だなと思いました。ただ平間さんはポートレートを多く手がける方で、自分の撮るものとはちょっと違うし...ということで、参加するには少し悩みました。でも最終的に今回の参加を決めたのは、平間さんの以下の言葉です。

目に見えないことを言葉にすること、それは闇から降りそそぐ言葉の破片をつかまえること。写真を撮った本人が、言葉にできなかった部分をなんとか言葉にしていきたいと思っています。そして言葉をきっかけに、今後の創作活動がより確かなものになっていくことを願います。

From Somewhere, To Elsewhereに一度区切りをつけることも考えて、新しいプロジェクトを組み始めた矢先だし、なによりコンセプトを決めて組むというより、組む過程で色々見えてきたものを拾い集めて、結果的にそれがプロジェクトになっていくマンとしては「言葉にできなかった部分をなんとか言葉にしていきたいと思っています」という言葉に期待せざるを得ませんでした。ニコンの北島敬三さんのレビュー時の記事のように、全文書き起こそうかなとも思い一応録音していましたが、レビューの軸となるのは自分の未発表プロジェクトのことだし、あんまり書き起こしも意味ないなと思ったので、今回は全体的な流れや自分のレビューとその感想だけをざっくりと書いておきます。

参加者は、スタジオ勤務でお仕事として写真を撮っていらっしゃる方、レビューに見学者として通っていて最近写真を撮り始めた方、竹ノ谷さん、俺の四人です。見学も有料で二千円ですが、10数人はいらっしゃったように思います。見学の中には作家活動のように写真を撮っている方もいれば、もっとカジュアルに撮っている方や、あまり撮らず見るだけという方もいました。全体的な男女比は2:8くらいでした。流れで言うと、まずは挨拶を交わしたあと、自身のポートフォリオを平間さんに見せます。この際に説明は求められませんし、説明しようとすると拒まれます。ステートメントや言葉がない状態で、全体を一巡します。その後ちょっと感想が述べられると、平間さんはイヤフォンを装着し、何かを聴きながら二巡目が始まります。何かの音楽だとは思うんですが、それが何なのかこちらはわかりません。なんだか降霊術みたいだなと思いました。二巡目が終わると感想が述べられ、見学者にもそれが求められます。レビューを受ける側、レビューする側、それを見る側で言葉が交わされ、何巡かする中で色々な感想を聞くこととなります。二人レビューが終わると軽食があり、唐揚げやおにぎりやお菓子などを食べて談笑します。自分は一緒に参加した竹ノ谷さん以外に知り合いはいなかったんですが、他の参加者や平間さんのスタジオのアシスタントの方から「好きな写真です」とか「瞬間じゃなくて、待って撮ってるみたい」なんて言ってもらえて、嬉しかったのを覚えています。その後、残り二人のレビューを終えて、一人一人参加者や見学者が意見を述べて終わりです。

俺に対するレビューですが、まず写っているものに対する違和感とその一貫性を指摘され、それがただの違和感ではなく二重構造のようなレイヤーになっているというお話でした。その後、喪失感や「その喪失感を感じつつもそれを取り戻そうともしない感じ」といった印象などについて述べられました。正直に告白してしまうと、違和感や喪失感といったものは、今までの紹介記事で述べられており、今回はそれではない何か違う言葉を求めにきていたつもりだったので、少し拍子抜けしてしまいました。ただ逆に言うと、自分の中でのヴィジョンが固まっていないフワっとしたものをそのまま渡しても、それを受け取った人が抱く感想もまたそれはフワっとしたものでしかないという、よくよく考えれば当然の事にこの経験を通して気付けたようにも思えます。写真に添えるステートメントを見せる見せないに関わらず、自分が何をどうしたいのかをきちんと言葉に落とし込む、あるいはそういった労力を惜しまず、プロジェクトの背景にあるものの強度を自分の中で高めることで、よりそれが伝わりやすくなるんじゃないかと感じた次第です。

思えば別のプロジェクトに取り掛かったのも、短期的な評価を得ることに対しての焦りが自分の中にあったからかも知れません。全然やり尽くしてもいないのに、From Somewhere〜に一つの区切りを付けようとしたのも、自分の中での明確なヴィジョン化という労力からの逃避だったようにも思えます。今回のレビューはそういったことに気付く、いいきっかけになりました。これからは時間をかけて、From Somewhere〜の再編集をしたり、ステートメントを一から練り直そうと思っています。そんなこんな。