朝より雨。連日の猛暑が止み大変過ごしやすい一日になりそうだと嬉しく思い、久々に襟付きのシャツを着た。汗をかく気温でもなかろうと着替えも持参しなかったが、満員電車の中でおじさんに全汗を擦りつけられてしまいその目論見は仇となった。満員電車の中に人権はない。そういうものだ。集団の中に押し込まれ、身体を浮かされ、つま先立ちとなり、自分の持つ最小限のスペースを奪われ、衣服だけが個と個を隔てるものになる。そしてその服も汗に侵食される。地獄だ。もう汗の話はやめよう。誰も聞きたくない。(237字)