/ by yota yoshida

ソフィ・カルの「限局性激痛」を品川の原美術館で見た。1999年に開催された同名展示の再現とのこと。奨学金を得て日本に行く旅の写真と、恋人への手紙を、その旅の最後の日(彼女曰く人生最悪の日)までカウントダウン形式で展示する第一部と、自分の別れ話を話し、代わりに他人の持つ最も不幸な話を聴くことで、自身の不幸を相対化し、その傷が少しずつ癒えていく過程を視覚化する第二部で構成されている。ベッドの上にある赤い電話の写真は、初めは観る側にとっては「ただそれだけの写真」だが、時間が過ぎていくにつれ変化していく彼女の独白とともにそれを何度も目にすることで、その写真に対する印象が変わっていくのを感じる。それは写真が持つ表象と、それと結びつく意味するものが、添えられるテキストによって変化していくという不安定な関係を認識しているのだろうと思う。ただの私写真でも物語でもなく、写真とテキストの関係性やそれに伴う認識の変化を考えさせられる刺激的な展示だった。

北品川から目黒川沿いを歩き、代々木公園 まで。撮れ高など気にしないが、16km歩いて50枚も撮らないと自身の燃費の悪さを感じる。