娘を娘の友達宅に送り届け、その足で北沢さんの個展「Relation」を観に国立のGallery Yukihiraへ行く。前回のBodyscapesとは異なり、被写体の全身や顔がよく見える。しかしこの被写体でなければいけない、あるいはこの背景でなければいけないというようなものはなく、それが抽象化・匿名化されているように見えた。また過去作であるContactから数枚がピックアップされているようだった。Contactのステートメントにある「忘れてしまうこと、忘れていくことへ繋がるための手段として制作した」の”繋がる”を、その内省的な面だけでなく、より広い面である人と人との繋がりへと拡大したのだろうか。しかし関係性と言いつつも、どことなくそれを拒絶するような印象も受ける。 観ていると不安になるが、その不安さも心地よく感じる。

帰り道でたまたま北沢さんに会えたので挨拶だけする。昨日までの疲れと寒さであまり頭が働かず、ろくに感想も言えなかった。 

早起きしてチェックアウト。地下鉄とMaglevを乗り継いで空港に行き、行李寄存にスーツケースを預ける。地下鉄の乗り継ぎも慣れたものだ。中心地に戻り、時間まで黄浦区界隈をうろうろする。どの十字路にも警官が配備されていてさすがは警察国家だなと思ったが、しばらく見ていると、警官の死角をついて信号を無視する輩や、逆走する原付などが多く驚く。どうも監視というよりは真に治安維持のために大量の警察が配備されているように見えた。また警察に次いで多いのが清掃員の数だが、その割にはゴミは多い。歩道は犬のうんこが多く、神経を使って歩く必要があるが、道路を歩くと後ろから無音で電動の原付が突っ込んでくる。看板や広告で「ルールを守ろう!」という類を多く見かけたが、急進的に発展する街に人が追いついていないように思えた。それがこの街の魅力の一つとも言える。鼻くそほじるサンタや、オレンジ色したモヒカンのおばちゃん、カウンターの下でサンドイッチを食うお姉さん。上っ面が無くて素敵だ。夕方まで歩きまわり疲れたので空港に戻る。空港のセキュリティも厳重で、空港に入る前、入管前、入管後に手荷物・身体検査がある。ただカメラのバッテリーをリュックに入れっぱだったがスルー出来たのでザル検査ではあるが。免税店でお土産を買って搭乗。機内では「Search」の続きを観る。話の筋は予想できたけど、演出がただの目新しいギミックではなく、主題に適したもので大変良かった。素晴らしい。「レディプレイヤー1」を途中まで観るが感想は特になし。到着後、モノレールとJR、タクシーを乗り継いで帰宅する。疲れたが充実した一日だった。熱い風呂に入って寝る。

朝食を食べて出社。ミーティングの後、Rさんと昼食。北京ダックを食すがやはり量は多かった。午後も終始ミーティング。一人で食事を取り、もう一仕事する。夕食の焼肉丼の油が良くなかったのか、ほとんどvomitってしまう。帰宅して正露丸をがぶ飲みし、早々に寝る。

朝食はホテルでビュッフェ。現地の担当が良いホテルを抑えてくれたのでご飯も美味しい。地下鉄を一駅移動して出社。午前は終始ミーティング。その後Rさんと二人で昼食。ジャパニーズとローカルどっちがいいかと聞かれ迷わずローカルと答える。食事中「中国語でやたら話しかけられて、英語で返すと変な顔される」と言うと「だって黙ってればお前完全に中国人でしょ」と笑われる。そういうものか。ローカルの料理は恐ろしいほどの物量で、半分以上を残してしまった。味は濃かった。休憩を少し挟んで午後も遅くまでミーティング。流石に疲れる。昨日の教訓を生かし、今日は事前にキャッシュの利用可否を尋ねずに店に入る。注文したものが麺かと思ったら米と汁だったという間違いはあったものの、無事にキャッシュで支払いを済ませる。キャッシュが使えないのではなく、ただ単にお釣りが面倒だったんだろう。そういうものだ。娘へのお土産を買い、そそくさとホテルに戻る。なかなか寝付けなかった。

予約していたタクシーで駅まで向かい、新宿を経て日暮里。日暮里からは京成スカイライナーで成田空港まで。チェックインと出国手続きを早めに済ませ、搭乗口付近でだらり。1時間ほど待ちJL873便で上海に向かう。機内では「カメラを止めるな」と「Search」(途中まで)を観た。前者はメタ映画的手法で、そういえば友人の書いたプロットでもこういうのはあったななどと思い出すと色々キツかった。後者はPCの画面上だけで物語が展開していくという演出。続きがとても気になる。上海浦東国際空港からはMaglevに乗り7-8分弱で郊外に到着、そこから地下鉄を二つ乗り継ぐ。Maglevも地下鉄も乗るたびに警察によるX線の手荷物検査があってやや面倒だったが、保安上は安心だろう。今日のお宿にチェックインし、荷物を置いてから上海オフィスに出社。お土産を渡し仕事を片付け、そそくさと退社。日中はまだ暖かかったが夜はかなり冷える。ホテルの隣にあるショッピングモールで夕食でも食べようと思ったが、どの店もVISAやキャッシュが使えず、ユニオンペイかアプリを出せと言われる。店員は現地語しか話せない。自分の顔が顔だけに中国人と思われて話かけられるが、英語で返事をすると変な顔をされる。日本も以前はこうだったのかもしれないと思いつつ、キャッシュレスの行き着く先は旅行者に厳しい市場だなと肌で感じる。仕方がないのでホテルで炒飯と春巻をルームサービスしてもらうも、お世辞にも美味しいとは言えるものではなかった。風呂に浸かって早々に床に着く。