Essay

35歳になって気付いたもう出せない国内コンペ一覧 by yota yoshida

海外ばっか出してたんで国内のにも出してみようかなと思って色々調べてたんですが、「どいつもこいつも年齢で区切りすぎだろ」「ふさふさでツヤツヤで腹のたるんでないヤツにしか撮れない写真があるのかよ」「若いっていうアドバンテージ使うタイミングしくった」みたいな呪詛じみた言葉が口からどんどん出るくらいに、募集要項欄に燦然と輝く35歳以下という年齢制限を味わいました。俺と同じ過ちを繰り返さないためにも、若い人は若いうちにさっさとこういうのに出して羽ばたいてください。というわけで35歳以下と指定しているコンペをちょっくらまとめます。賞とかコンペとか混じってますけど、細かいことはいいス。俺はもうどうせ出せないし。

 

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主催はリクルート、旧ひとつぼ展。審査員は飯沢耕太郎、鈴木理策(敬称略)など。第16回は来年一月なので俺も出そうと思えばギリギリ出せます。写真部門とグラフィック部門があって、ポートフォリオ審査・二次審査・グループ展・公開最終審査の4段階を経てグランプリが決まります。賞金は無いみたいだけど、10万円の補助金とガーディアンガーデンというギャラリー?で個展が開催できる、というのが特典みたい。よく知らんので適当なことしか言えないけど、展示に対するヴィジョンとかプレゼン能力、あとは公開最終審査で辛辣なことを言われても耐えれるメンタルとかが必要そうな感じ。大変そう。

 

Juna21

主催はニコン、選考委員は土田ヒロミ・大島洋・伊藤俊治・北島敬三・長島有里枝。コンペっていうか展示公募だけど。ちなみにここも出そうと思えばまだギリギリ出せる感。募集は年中やってて、年間にするとだいたい20人弱が選ばれてるのかな。新宿と大阪のニコンサロンで展示をやることになるので、事前にある程度の展示プランとそれに関する費用の試算はしておきたいところ。出す前に事前にポートフォリオレビュー受けような、と大島センセも言っておられた。ちなみに年間を通しての優秀作品には三木淳賞が与えられます。

 

清里フォトミュージアム・ヤングポートフォリオ

審査員は張 照堂・北島敬三・細江英公。作品の購入と展示、グランプリみたいなのは無いっぽい。作品をそれなりのお値段で美術館が購入してくれるらしい。応募は有料で2-3000円、なぜか海外は$15という優待ぶりは笑うところなのかな...選ばれてる人を見ると知ってる名前もあるので、そう簡単ではないと思う。出しておきたかったなあ。

 

名取洋之助写真賞

審査員は特に固定メンバーではないみたい。「時代を捉える鋭い眼差しと豊かな感性による、斬新な作品を期待します」だそうです。名取賞受賞者は賞金30万円と写真集制作、奨励賞は10万円。東京と大阪で写真展が出来るそう。

 

あれ、思ったよりも少ない。もっとあった気がするんだけどな。他にもあったらこっそり教えて下さい。あとは上野彦馬賞もかと思ってたけど、これは39歳まで引き上げられてた。今のところ出すつもりはないけど。あとは年齢関係無いけど、ギャラリー閉めるのでフォトプレミオももう出せない。このくらいかな。ヤングポートフォリオあたりは出しておきたかったけど、気付いたら終わってた。よくよく考えたらなんで俺にはなんのメリットもないことを書いているんだろうな、さっさと寝てしまおう。

エプソンプライベートラボに行ってきたお話 by yota yoshida

実は今まで結構無理して書いていたので、今日からですます調に戻します。

そんなこんなでエプソンのプライベートラボを利用してきました。実際プロラボに出そうかどうか迷ってましたが、自分でやってみたいのと比較的低コストだったのでこちらを選びました。で、今日はその体験談というか、全体的な流れの紹介です。まずラボを利用するには予約が必要です。最初は電話で大丈夫。綺麗な声のお姉さん、もしくはおっさんが丁寧に対応してくれます。いつ利用したいのか、どのサイズを何枚くらいどの用紙で出したいのかを聞かれるので、あらかじめ下調べしてから電話するとスムーズです。紙については事前にマットか光沢紙かくらいは決めておきましょう。ちなみにエプソンのラボなので当然紙はエプソンのものしか使えません。フォトラグバライタとか使いたい人はTokyoLightroomに行きましょう。で、空きがあればこれで仮予約状態となり、FAXを下さいと言われます。所定の用紙がサイトにPDFであるので、それをダウンロードし、印刷し、手書きで全て埋めたあとにFAXするという何だかよくわからない前時代的な手順を踏む必要があります(いや、頼むからさっさと予約用入力フォーム作ってくれ) FAXする内容はより細かい内容です。枚数、用紙、プリンタ(使用プリンタによって値段が変わる)、あとは作業時のOSなど。FAX送信後、スタッフの方がそれを確認した後に電話してきてくれます。基本はFAXした内容の確認です。その際、自分の場合はフォトマット紙Velvet Fine Art Paperをそれぞれ一枚ずつ出して比べてみた後に良い方で全部出したい、と伝えておきました。あとはプリント用のデータの準備です。A4サイズの出力予定でしたが、TIFF形式のオリジナルサイズで300dpiのものをUSBスティックに入れて持って行きました。

当日、時間よりも少し早めに行ったんですが名前を伝えるとそのまま中へ通してくれました。その際、自分は始めての利用だったのでまず会員登録する必要があり、所定の用紙に記入する必要がありました。ちょっと色々書かされすぎて正直面倒ではありましたけど。その後、用紙の説明、プリンタの使用方法、作業用PCおよびアプリケーションの使用方法までスタッフの方が簡単に説明してくれます。自分の場合、Photoshop内で印刷設定を行ってから出力しましたが、他にも色々アプリケーションが用意してあるので、自分が使いやすいものでやればいいと思います。で、Velvet Fine Artが手差しだったので、まずそれを一枚デモ的に出力してもらいました。プリンタはSC-PX5VII、高精細モードだったので一枚あたり3分くらいの時間がかかったはずです。その後フォトマット紙でも出力。思ったよりも良かったのでフォトマット紙で全て出力することにしました。フォトマット紙は手差しではなく、セットしておけば自動で給紙してくれるので楽でした。いや楽というよりは暇か...なんだか流れ作業になってしまい、あまり緊張感はなかったけど、一枚一枚出来を確認する時間は取れたかなと思っています。印刷の合間に色々見て回ったけど、裁断用具やスペースも充実していて、次回はよりコストを圧縮するために大きめの用紙に複数枚出しつつ、ここで裁断してもいいかななんて思いました。

そんなこんなしている間に正味90分弱でA4 29枚の出力が全て完了です。終わったらまずスタッフに声をかけます。そして使用した用紙と枚数を確認されます。で、印刷した写真を梱包するか聞かれるので勿論お願いしましょう。通常はちゃんとした箱に入れて紙に包んでくれますが、今回はその箱のストックが無かったので、Velvet Fine Art紙の空き箱でした。梱包を待っている間にお会計を済ませ、しばらくしたら梱包された写真を受け取り終了です。

正直予約するまでのプロセスがちょっと面倒ではあるけど、また使ってみたいなという気持ちではあります。個展をやるような予定もありませんけど、もしやるんならこういうところで印刷するほうがお財布にも優しいんだろうな、と。ただここだとエプソン紙しか使えないというのもあるので、今後は別のところでやる可能性もありますね。もっと色々な紙で出してみたいし。まあ、別のところって言ってもTokyoLightroomしか近くに無いですけど...

もうポートフォリオレビュー童貞なんて言わせない by yota yoshida

前回のレビューからもう二ヶ月も経ってしまった。その間にプロジェクトとして一つ組んだしということで、それらの写真を持ってノコノコと新宿のニコンサロンに行ってきた。今回担当のポートフォリオレビュワーは、写真家として現在も最前線に立ち続けて活動されている北島敬三さん。そう、「写真特急便・東京」、「New York」の北島さんだ。晴れてるし、北島さんだし、ってことで参加者もきっと多いだろうなと思ったれけど、最終的には13人とオーバーエイジ枠3人の計16人。終わったのが開始から2時間半後くらいだったから、一人当たり約10分弱かな。前回の教訓を生かし、今回はレビューそのものを録音しておいた。レビュー全体から受けた印象を体験として終わらせてしまうこともそれで良いのかもしれないが、時間を置いて、後からその言葉をゆっくりと受け入れる重要性も感じていたからだ。そして、それをより冷静に実行するためにも、という事で文字に書き起こしてみた。お陰で緊張して話を聞いているだけだったら素通りしてしまうことも、自分の中でいろいろ掘り起こすことが出来たかなと思う。それを自分のためだけという事で閉じてしまってもいいけれど、まあブログもやってるし、ということで公開した。んで、老婆心ながら俺以外の人が読んでもなんとなく分かるように、北島さんがこれそれと指し示した写真にFlickrのリンクも張っておいた。ただ一々開くのが面倒かもだけど。以下、10分弱のレビュー。


北島さん(以下 北)「吉田さん?」

俺「はい」

(申込用紙に目を通す)

北「(Juna21の規定年齢制限が)ギリギリ (笑」

俺「ギリギリっす」

(写真に目を通す)

北「これなに?

俺「えー、これは井の頭動物公園で山猫かなんかの、山猫の里みたいな...」

北「これ模型?」

俺「模型っす、猫じゃないっす、はい(笑」

北「山猫いんのかと思った。こういうジオラマね。里山にいますよ、っていう」

俺「はい」

(写真に目を通す)

北「まああの、日の丸二つ出てくるけれど何かあるの?」

俺「たまたまです(笑」

北「あーたまたま」

俺「特に何か意図があるわけではないです」

北「写真はずっと一人でやってるんですか?」

俺「いや撮り始めてはまだ二年ぐらい、二年ちょいなんすけど、あのー、一人でやってますね。情報交換するような友達は何人か居るんですけど」

北「ふーん。うん、なんかハッキリしてる写真だし、うん、こういうところに関心が行くんだっていうのがちょっと不思議で面白いけどね」

(写真に目を通す)

北「あの、もう少しやっぱり量の...量の中から選んだ感じが欲しいかな。うーん。こう、格上げしないでさ、格上げしないでどんどん落として残っていくのが増えていくのでやってさ、これもまあオッケーかな、で入れちゃわないでさ、かなり良いけど外そうってやって」

俺「(納得)あーそうですね。はい、はい」

北「うん、うん。(そうやって)クオリティを上げて行くほうが良いような気がするね、せっかくなんだからさ。これちょっと面白いけどどうかなー、なんて思うよね。イマイチ感というか」

俺「あー、そうですか」

北「なんか...うん。これとかすごい好きだけどね。なんかさ...これもすごい好き。これも変。で、すごい変なところに行くようで、そうでもないとこでってのもあるからさ(笑」

俺「あー、はい(笑」

北「そういうところをもっと強くしてさ、個性出したらどうかな」

俺「あんまり自分では変だとおもってはいないというか...別に奇をてらって撮ってるわけではないというのはあるんで...はい」

北「うーん、まあでも俺からするとそういう感じだよ」

俺「はい」

北「ただちょっと変な所があって...うーん。なんかさ、この世なんだけどこの世じゃないみたいな感じになるといいなーと、ちょっと希望的には思うね。なんかほら、よく見慣れてんだけど、あれもしかしたら全然違う星なの、みたいなさ。違う、えー、えーっていう感じのさ。地球に見えんだけど、えーもしかしたら地球に似た違う星かなっていうような感じ?になるといいかとはちょっと思うんだけどね。で、この人、宇宙人?とかさ、もしかしたら、とかっていう感じになっていくと面白いかと...これとか、これもちょっと怖いんだよな、これもちょっと暗いでしょ。これも面白いんだけどね...もうちょっと何とか...でもこれでいいんだろうな、このヘッタクソ構図のほうが(笑」

俺「ははは(笑」

北「アクチュアルだ(笑」

(写真に目を通す)

北「でもはっきり面白いとおもうのはこういうのだね、俺は。こういう感じ、この4枚とかはさ。なんか、これ地球で撮ってんだよね?って感じ。だけど全然そっくりで違う星みたいな感じがするっていうか。なんかそういう変な感じがさ、これもちろん狙ってないんだけどさ、見かたの中に入ってるんだろうね。面白がるところがね。うーん、これもまあ面白いんだけどね。でもまあそのぐらいやっちゃった方が良いんじゃないのかなー。とっても面白いね、みんな面白いんだけどね。だけど、なんていうのかな。あ、だけどこういうさ、例えばこういうみんな帽子揃ってて面白いみたいな事だったら...なんていうんだろ、これ、なんか地球人が面白がる感じだよね(笑」

俺「ちょっと結構無理に座ってるところが、自分は...」

北「で、揃っちゃってて。でもなんかそういう状態の面白さってさ...」

俺「...ちょっと弱い」

北「うん、弱いよね。それより、ここってどこ?みたいな、全体もあって部分もある感じのほうがさ。まあこれもちょっと、まあ綺麗だけどな...。(いくつか写真を並べて)まあこんな感じで、もし30枚くらい揃うと面白いだろうね。このクオリティで行く、ぐらいでいくとさ。うーん、他にも、実はこういうのも勿論良かったりするけど、これ面白いね。その辺、こういくと良いと思うけどさ」

俺「わかりました」

北「まあ本当に...まあこの辺諦めちゃってさ(笑」

俺「ははは(笑」

北「撮るけど選ぶときには落とそうっていうさ(笑」

俺「はい」

北「どうだ見ろ、っていうのだけにしていく感じでさ。他の人真似できないでしょ、ってさ。これ誰か撮りそうじゃん」

俺「そうですね、はい」

北「で、これは撮れないだろうけどさ、他の人は。って言う風にやってけばさ...これもこういう撮りかたは中々しないしないよねー多分、っていうのがあるから...。なんか、ちょこっと面白いでしょ、ちょこっと面白いでしょって、ちっちゃくなんないでさ、この星どこの星ってなるような感じで。地球にそっくりで地球じゃない場所になると良いね。そんな感じですね」

俺「あ、はい」

北「じゃあこの辺で30枚集めてみたら」

俺「ありがとうございます」

北「はい」


北島さんの指す写真をベースに組むのは確かに近道なのかもしれないな、とは思う。でも自分がやりたい事、進みたい方向性とはちょっと違う。でもそれは「そういう風に見えてしまう」という組み方というか、何か別の問題があるのかもしれない。じゃあそれをどうするのか、ってのは今すぐ答えは出ないだろうけど、もう少し時間をかけてしっかり考えないといけないな、と思った。あと「量の中から選ぶ」ってのは大島さんからも指摘されていた事だ。これがすぐに見透かされたくらいだし、まだまだ甘いという事だろう。ちょびっとだけ褒めて貰えたのは嬉しかったけど、他にも褒められていた人は何人か居たし、そんな事でいちいち浮かれてもしょうがない。で、最初から最後まで他のレビューも聞いてたけど、長丁場だったので後半は集中力も切れ気味だった。幾つか気になった言葉もあるが、正確にはちょっと思い出せないので、なんとなくニュアンスで以下。

「同じような構図や内容の写真が集まると、反復的になる。そういう文脈のない写真群の中で物語性のある写真があると良くない」「写真も記号だし、言葉も記号。写真を写真だけで扱おうとせず、言葉も併せて考えるべき」「フォーマットの需要性、白いふちをどのくらい残しているのか、どのサイズなのか。だってイメージに枠はないけど、写真は物として枠があるからね」「ニコンの審査落ちたからって違う写真撮るのってどうなの?ダメだったらまた変えて撮るんじゃないのっていう風に見えるよね」「こう一枚一枚は良いんだけどさ、こう揃うと美意識に見えるよね」「(ステートメントに対して)そういう事は言わないほうがいいよ。うーん、何か好きなんですよね、くらいで言っておけばいい。そういう事を言ってしまうことで、ああそうですか、となってしまう」「ステートメント、これは重要。それ以上に重要なのはタイトル。これは一週間くらい寝ないで考えてもいい。そのくらい重要」「こういう場でいうのも何だけど、誰にでも写真を見せないほうが良い。一々考えて混乱してもしょうがないからね」

ちょっと雑かもだけどそんな具合かな。やっぱり全体を録音すべきだったかも。あとは単写真、組写真、群写真について。あまり過度に組みとしての流れを意識しすぎるもの危険かな、とちょっと思い直した次第。どっちが良いとか悪いとかではないんだけれど、大島さんは全体のレビューだったのに対して、北島さんは全体の印象から一枚へ掘り下げて行ったり、全体から語ったり、より感覚的だったように思う。でも感覚的な鋭さはキレっ切れで、厳しいときは厳しく、核心を突くような指摘も言葉も多く、とても面白かった。是非また参加したい。ただ、それ以前に俺はもっと写真そのものを撮るようにせんと、とは思うけど。

Harry Gruyaert at Institut français du Japon Tokyo by yota yoshida

鎌倉に行った話を書こう書こうと思っていたらもうこんなに日が過ぎてしまった、おっさん老いやすくなんちゃら。期待していた人がもし居たのなら申し訳ない。考えれば考えるほどに書く事がまとまらないので、多分書かれることは無いと思う。けれど、とても貴重で刺激的な体験だった、ということだけとりあえず記しておく。

そんな訳で、先日マグナムフォトグラファーのHarry Gruyaertのトークを聞きに、旧東京日仏学院ことアンスティチュフランセ東京に行ってきたわけだ。最初、アンスティチュフランセって何だよって思ったけど日仏学院から名前変わってたのね。全然行って無かったから知らんかったわ。最後に行ったのはストローブ=ユイレとかやってた頃だから13-4年ぶりかな。しかしほとんど何も変わってなくて逆に驚いた。まあ良いとして、日仏トークと言えば微妙な感じの同時通訳。案の定今回もそれ。一応録音もしたんだけどハリーはフランス語だから後から聞き直しても全然わからんかった。いやどうせわからんだろうとは思ってたけれどさ。

印象としてはちょっと気難しい感じのおじさん、年齢的にはおじいさんか。のっけから「パーは俺がマグナムに入ることを快く思っていなかった」「パーよりも、エグルストンよりも先にカラーで撮っていた」みたいな事を言っていて、やや不安になる。対談相手のタカザワさんがその流れから「パーに影響されたことはありますか?」って質問したときには、おお、そこに良く突っ込んだな...という感じではあったけど。まぁ、当然答えは否だったんだけど。彼はもともとは映画を撮りたかったけれど、お金を集めることがヘタだったので長く続かなかった、それから故郷であるベルギーを出てフランスに行き、生計を立てるためにファッション写真を撮った。そしてこの時期にいろんな人に会った、ブレッソンやクラインなどなど。彼らに会ったことで写真家に必要なことは知識や技術ではなく個性だと思った、だから誰かの弟子になるようなことはしなかった。この頃ロベール・デルピールにも出会っている。デルピールはポッシュなんか作ってる有名なエディターだけど詳しくはググってね。だからハリーは写真家としての重要な要素の一つに、良いエディターに出会うことを挙げている。それは必須の条件であると。また、ハリーは雑誌の写真依頼については否定的で「罠だと思う」とまで言っていた、雑誌だと自分の個性を発揮することが出来ないので、どちらかというと企業広告だったり企業イメージの写真を撮るほうが良い、とのことだった。その後自分の国に帰ったときに、最初はモノクロで撮ってたがそれは「色づいて見えなかったからだ」と言っていたが、正直あんまりよく分からなかった、というかその手の話は胡散臭いので話半分に聞いていた、という感じか。彼にとって、目に見える色と感じる色彩との間には何か違いがあるんだろう。しかし撮っていると徐々に色を感じるようになり、故郷をモノクロではなくカラーで撮るようになったそうだ。その後はアサインメントで各国を回ったが、良いと思った国は自分でまた旅で出向いたりした。モロッコ、エジプト、インド、ソ連。写真を撮るには驚きがないと撮ることができないが、旅には驚きがある。だから常に旅をしている。写真を撮るときに家族や友人のことを考えていては撮れない、など。あんまりウンウンと頷くような内容ではなかったかな、いまの自分の考えとはあまり一致するところはなかった。別に自分と同じ考えを聞きに行ったわけではないけれど。あと今は完全にデジタルに移行しているそうだが、デジタルで大変なのはたくさん撮ることが出来るので、その分のエディティンングに時間がかかって大変、だそうだ。フィルムの時はなかなか重装備で、アシスタントも必ず連れて歩いていたがそういうのはなくなった、と言っていたのは印象的だった。全体的に話自体はそんなに面白いという感じではなかったけど、途中で流れた映像が良かった。ハリーが編集してどっかの大学かなんかで流したとか言ってた気がするが、基本は彼の喋る言葉に彼のああいう写真がスライド形式で流れるものだったけど、最後に彼が彼の娘たちを撮った写真が流れた。これがとても良かった。彼は「あんまり見せたくなかった」とは言ってたけれど、作品と自分を分けて考え、世が求めるハリーの写真作品を撮り続ける彼が、そうじゃなく、家族だけに向けた視線がちょっと見えた気がした。それは自分と写真の間に線の引かれていない、そういう写真だった。もやもやしながら話を聞いていたけれど、その写真を見たら何だかどうでも良くなったしまった。後は国ごとの色やレイヤーの違いとか、そういう事を話していた気がするけれど、あんまり耳に入ってこなかった。

トーク後、一枚だけ写真を撮らせてもらった。ちょっと緊張していたのか、カメラの設定をちゃんと確認しないまま撮ったので、それはブレッブレで何が写っているかよくわからない、何ともひどい写真だった。だけど撮ったこと自体に満足してしまって、サンキューも言えずに笑顔で会釈して帰った。それは誰かに見せる写真じゃなくて、自分のための写真、という事にしておこう。

もうMattったら、おっちょこちょいなんだから! by yota yoshida

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!「先週届いた写真集が今日また届いた」な…何を言っているのかわからねーと思うがおれも何が起こったのかわからなかった…

前日に「イギリス様から」という意味不明な不在票を受け取っていたので何となく察しがついていたけど、案の定これ。とりあえず二重でカードが引き落としされていないことを確認して安心。あとは一応送り主であるMattおじさんに連絡しとかな、という訳で俺のニューホライズンレベルの英語力が火を吹くわけです。


Hi Matt,

I received your book today, but I already received it at last week.

It looks duplicate mailings.

So, What would be the best thing to do for it?

Regards,

Yota.

まあ文法がどうたらとかそういうツッコミはいらんです。とにかく伝わればいいや、ということで待つ事2時間。


Dear Yota,

Thank you so much for letting me know.

Please give the spare copy to someone who will appreciate it. It seems that I have sent out a few twice. The mind drifts sometimes...

Warm regards, from snowy London.

Matt

「おう、じゃったらさっさと返さんかいワレ」とか言われたらどうしようと思ってたけど「誰かにあげて」ときたか。それもたまに2回送っちゃうって...大丈夫かMatt。これを視聴者プレゼントとしようかと一瞬(ほんの一瞬)考えたけど、どうせなら欲しいと言ってたあの人に送ることにこれまた一瞬で決めた。迷い is なし。そういう訳でこのピンクプチプチ本はイギリスからウチを経由して福井に送られることとなった。Congrats!

実はこの日、ある人に誘われて鎌倉まで行ってきて、そんでもってとても楽しい時間を過ごしたんでそのことを書こうかと思ったんだけど、もう少し言葉を整理したかったのでこっちを先に書いた。鎌倉の話はまた後日。